パワースポットの大山祇神社から鷲ヶ頭山へのハイキング案内

四国

愛媛県今治市と広島県尾道市を結んでいるしまなみ海道。

その中間地点である大三島には観光名所が多数あります。

多々羅キャンプ場や道の駅、サイクリストの聖地など国内外から多くの観光客で賑わっていますが、何といっても大山祇神社は大三島に行った時には外せないスポットです。

全国に奉斎される大山祇神社・三島神社の総本社で、隣接している大山祇神社宝物館には国宝や国の重要文化財が多く収蔵されています。

神社の境内や周囲には樹齢数百年の楠群があってパワースポットとしても有名ですが、その大山祇神社の背後にそびえているのがしまなみ海道全体が展望できる鷲ヶ頭山です。

標高は436mで登山口から整備された遊歩道が頂上まで続いています。

「国宝の島」と呼ばれている大三島、大自然からのパワーで心身ともにリフレッシュできる鷲ヶ頭山へご案内しましょう。

目次

1. 登山の無事を祈願して神社に参拝

大山祇神社周辺には無料の駐車場があり、そこの道の駅から見える山が鷲ヶ頭山です。

頂上にはテレビ局のパラボラアンテナが立っていて、登山している際の目印になっています。

道の駅真向かいには大三島藤公園があり、約300mの藤棚をはじめとして、バラや桜など季節の花を楽しむことができます。

では登山する前に大山祇神社に参拝することにしましょう。

境内を進んでいくと御神木して崇められている国の天然記念物、乎知命御手植(おちのみことおてうえ)の楠が目に飛び込んできます。

高さが約15m、樹齢は推定2600年程になるそうです。

そしてその先にある本殿で登山の無事を祈願します。

2. パワースポットと絶景を巡りながら安神山を目指す

鷲ヶ頭山への登山口は神社の神門前を右折した道を進んでいきますが、ちょっとだけ寄り道することにします。

神門から10分ほど歩いての寄り道ポイントがこの「生樹(いきき)の御門」です。

推定樹齢2000年で県天然記念物に指定されています。

根元が空洞になっていてその先へ通り抜けることができるのですが、頭をぶつけないよう気をつけましょう。

古来からの楠群を十分堪能したあとは、いよいよ登山開始です。

安神山わくわくパークという公園横を進んでいくと、分岐点に差し掛かります。

左側の道は自然研究路として整備された登山道で、鷲ヶ頭山山頂まで約60分。

右側の道は鷲ヶ頭山山頂まで約80分かかりますが、途中に入日ノ滝という名所があります。

今回は整備されている左側の登山道で山頂を目指すことにしましょう。

途中には展望台もあって、大三島の宮浦の街並みを望むことができます。

この登山道、少し急こう配ですがかなり整備されていますので、初心者の方でも安心して進むことができますよ。

登山道の開けた場所からは、目指している鷲ヶ頭山が見えます。

パラボラアンテナが丁度よい目印ですね。

そして公園から歩く事約30分、最初のピークである標高267mの安神山山頂に到着です。

3. 爽快な尾根を歩いて鷲ヶ頭山へ

その先にあるのは尾根沿いを歩く気持ちの良い登山道です。

見晴らし抜群の瀬戸内海の多島美を満喫しながら足を進めましょう。

途中には今にも落ちてきそうなエボシ岩があります。

鷲ヶ頭山周辺にはこのような岩石が沢山ありますが、これは「花崗岩」という火成岩です。

大三島の花崗岩の石質は風化してして軟らかいので、石材としては利用できないのです。

石材といえばしまなみ海道の大島にある大島石が有名ですが、大島石も同じ花崗岩です。

花崗岩でもさまざまな種類や特徴があるという事が分かります。

ここのエボシ岩からしばらくは緩やかな登山道が続くのですが、途中で気になったことがありました。

登山道周辺に黒く炭のようになった樹木があったのです。

瀬戸内海の風景が望める気持ちの良い道ですが、今までの道と比較して明らかに樹木が少ないのです。

実は鷲ヶ頭山から安神山一帯にかけて、2005年5月28日に放火による山林火災が発生し、133ha余りの広大な山林が焼失してしまいました。

火災から約15年経過していますが、現在でも黒焦げて立ち枯れた木や露出した岩肌を目にすると森林火災の影響の大きさをまざまざと感じさせられます。

一度消失した自然は以前の姿になるまでには相当の時間がかかるのです。

4. 急こう配の道を進んで山頂へ

登山道を進んでいくと最初に分岐した道との合流ポイントがあります。

ここから入日ノ滝まで20分程度で行けますが、かなりの下り坂になっていて足元が滑る可能性が高くなっています。

危ないと思ったら帰路も来た道を引き返しましょう。

舗装された林道を何カ所か横断しながら、急こう配の登山道を進んでいきます。

一気に高度が上がりますのゆっくり足を進めましょう。

鷲ヶ頭山への登山道周囲には植物のシダを多数見かけます。

シダ以外にもまつ科のアカマツや、早春に咲くつつじ科のコバノミツバツツジなどがあります。

このゼンマイ、良くみるとハート型に見えませんか?

植物観察しながらゆっくり道を歩いてみるのも楽しいですね。

そして大きな中継アンテナが見えてきたら山頂に到着です!

山頂はかなり広くて瀬戸内の風景が360度思うがまま堪能できますよ。

以前は周囲の高い木々で見晴らしは良くなかったそうですが、私が行った時には展望は最高でした。

5. まとめ


鷲ヶ頭山に登った方なら分かったと思いますが、山頂に行くだけなら頂上付近まで舗装された林道がありますので車で簡単に行く事ができます。

でも瀬戸内海の多島美を満喫するなら、大山祇神社から約80分程度で山頂まで行ける登山がおススメですよ。

大山祇神社は初詣スポットとしても人気がありますが、今回ご紹介した鷲ヶ頭山は冬でも雪が積もることはほとんどありません。

初詣を兼ねた正月登山も可能で、山頂から初日の出を拝むことが出来ます。

国宝の島「大三島」、大山祇神社から登る瀬戸内海屈指の展望峰「鷲ヶ頭山」のご紹介でした。