「筑波山(関東)」と「開聞岳(九州)」1000mに満たない2つの山が百名山に選ばれている理由とは

九州

登山を好きな人なら誰しも百名山制覇は憧れるものですよね。

百名山を登る度に山バッジを揃えるのも楽しいものです。

そんな百名山の中に1000mに満たない低山が2座だけ存在するのをご存知でしたか?

茨城県にある「筑波山」と鹿児島県にある「開聞岳」です。

今回はこの筑波山と開聞岳について紹介します。

目次

そもそも日本百名山はどうやって選定された?

日本百名山が誰がどのように選定したか知っていますか?

登山愛好家の中でも日本百名山がどのように選定されたのかを知っている人は実はあまり多くないのではないでしょうか。

「日本百名山」は1964年に新潮社から出版された本のタイトルです。

著者は深田久弥。

深田久弥は日本百名山を選定する際に原則標高1500m以上であることと、3つの選定基準を設けました。

百名山選定基準①山の品格

’’人に人格があるように、山に『山格』というものがあるとし、誰が見ても立派な山’’

山を人に例え「山格」という言葉を用いてるのは非常に面白いですね。

深田は山の美しさを山格と表現しました。

百名山選定基準②山の歴史

’’昔から人間との関わりが深く、歴史のある山を尊重’’

日本では人間の力の及ばない自然に対して八百万の神が宿るとして信仰の対象としてきました。

日本における山岳信仰もこの考え方に由来。

急峻な崖や激しい滝を修行の地として利用されてきた歴史を持つ山も多くあります。

また、日本の山は古くから多くの資源を日本人に持たらしてきました。

日本の山々は豊かな産業を支えてきた歴史もあります。

百名山選定基準③個性のある山

”芸術作品と同様に、山容・現象・伝統など他には無いような顕著な個性”

豊かな自然に恵まれた日本には様々な地形や現象がありますよね。

独特な地形や現象のある個性豊かな山も百名山の選定基準になっています。

筑波山|富士と並び称される茨城の名峰

筑波山は標高877m。

百名山の中でも最も標高の低い山です。

しかし、実は筑波山は「西に富士、東に筑波」と富士山と並び称される山なんです。

1000mにも満たない筑波山が日本一の富士山と並び称され、百名山にも選定されている所以は

  • 関東平野に位置する珍しい独立峰的な山であるため
  • 古くからの神域とされる霊山であるため

です。

筑波山は八溝山地の南端に位置する筑波山塊の1つ。

そのため正確には独立峰ではないのですが、関東平野の中心に鎮座する姿は非常に美しく映ります。

男体山と女体山の2つのピークを持ち、より標高の高い女体山の頂上からは関東平野を一望。

天気が良ければ富士山やスカイツリーも見ることが出来ますよ。

四季折々の景色も非常に美しいですよ。

都内からのアクセスもよく、簡単に登れる山として非常に人気の山です。

霊山としても古くから有名。

麓にある筑波山神社は筑波山の神々を祀っており、約三千年の歴史を持っています。

登山道には巨石、奇岩が多くありそれぞれに逸話が存在。

現在でも筑波山の過酷な行、「禅定」が毎年秋に行われています。

おすすめルート

つつじヶ丘駐車場→(約40分) 弁慶茶屋跡→(約30分) 女体山山頂

つつじヶ丘駐車場から女体山山頂を目指す最も手軽に登れるルートです。

つつじヶ丘駐車場は大きなガマの像が目印です。

最初のポイント弁慶茶屋跡までは約40分。

途中あづまやがあるので、関東平野の絶景を眺めながら休憩するのも気持ちがいいですよ。

つつじヶ丘駐車場の名前の通り登山道はつつじが多く、5月中旬から見頃を迎えます。

弁慶茶屋を過ぎると、奇岩の名所が目白押し。

「弁慶七戻り」や「母の胎内くぐり」など存分に楽しめますね。

約30分程で山頂に到着。関東平野を見渡す景色は圧巻です。

アクセス

TXつくば駅から筑波山シャトルバスで約50分(850円)

つつじヶ丘駐車場利用料金

3時間まで400円 4時間目以降1時間おきに100円

開聞岳|海に望む薩摩の名峰

開聞岳の標高は924mです。

鹿児島県の薩摩半島にある独立峰。

きれいな円錐型の山容から薩摩富士と呼ばれ、親しまれています。

東西南北どこから見ても見事な円錐型の山容を見ることが出来ますよ

また、海にせり出した海岸線に位置しており、頂上から海を望む景色は圧巻です。

深田も開聞岳を百名山に選んだ理由に「高さこそ劣れ、これほど完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗り出した、これほど卓抜な構造もあるまい。名山としてあげるのに私は躊躇しない。」と記しています。

「かいもん」の名は海岸線にせり出した開聞岳が鹿児島湾の海門という意味から来てるとのこと。

古くから人々に、親しまれてきたのが伺えますね!

おすすめルート

開聞駅→(20分) 開聞岳2合目登山口→(40分) 4合目→(20分) 5合目→(1時間半) 開聞岳山頂

開聞駅から2合目登山口までは約20分。

2合目登山口付近にはかいもん山麓ふれあい公園の駐車場に車を停めることも出来ます。

5合目にはベンチがあり、海を眺めながら休憩することが出来ます。

登山中ずっと海を眺めながら登ることができるのも魅力ですね。

ルートの途中にはハシゴの箇所もあり、スリルも味わえますよ。

油断せず挑みましょう。

山頂からの眺望は霧島や屋久島を望むことができます。

アクセス

JR開聞駅から徒歩20分

かいもん山麓ふれあい公園駐車場の料金は無料です。

まとめ

今回は百名山の中でたった2座の1000mに満たない低山を紹介しました。

急峻な山の豊富な日本にあって、その美しさや歴史の深さから百名山に軒を連ねているのは凄いですよね。

他の百名山に勝るとも劣らない山容は1度は登る価値がありますよ。