笹原のダイナミックな縦走路が爽快!日本三百名山「伊予富士」の魅力とは?

四国

日本各地には「富士」と名の付く山が随所にあります。

日本一高くて有名な富士山のように、山容が似ていたり独立峰でどこから眺めても分かるような山の事を指す事が多いのですが、四国の愛媛県と高知県の県境にあるのが日本三百名山「伊予富士」です。

伊予富士は「富士」という名がついていますが、富士山のように独立峰でもなく、見た目も似ている訳でもありません。

しかしこの「伊予富士」、近年になって登山客がかなり増えている大人気の山で、週末になると数十台ある登山口駐車場が満車になるほどです。

それと同時にCMでも話題になった町道瓶ヶ森線、通称UFOラインをドライブする観光客も増えており、通行する車の台数がかなり増えています。

https://magazine.yamarii.com/ufo%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%a7%e3%80%8c%e7%93%b6%e3%83%b6%e6%a3%ae%e3%80%8d%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%b8%e8%a1%8c%e3%81%93%e3%81%86/

人気の理由は、登山口から2時間程度で頂上まで行けることと、爽快でダイナミックな縦走路です。

笹原の中を進む登山道はかなり整備されていて、初心者の方でも安心して登ることができます。

雄大な展望を望める「伊予富士」の登山案内です。

目次

登山口へのアクセス

<公共交通機関>
愛媛県JR伊予西条駅→タクシー(約60分)→旧寒風山トンネル南口

<マイカー)
松山自動車道、いよ西条ICから国道11号と194号を経由、高知県側の寒風山トンネル入り口から旧道へ

伊予富士への登山口は、高知県にある旧寒風山トンネル入り口です。

(高知県側から旧道へ)

途中のアクセスは、同じく高知県側にある1999年に開通した全長5432mの寒風山トンネル入り口近くから旧道に入って山道を進みます。

山道はとても狭くて曲がりくねっているので運転に十分注意して下さい。

また標高が1000mを超えていますので、冬季は路面凍結や雪が積もることも多くなっています。

冬用タイヤやチェーンの準備もしっかり行っていきましょう。

旧道を約20分程走ると登山口に到着です。

駐車場は旧寒風山トンネル入り口近くと、少し離れた場所にも広いスペースがあります。

この登山口からは、伊予富士の他、東黒森、寒風山、笹ヶ峰といった石鎚連峰の有名な山々へ行く事ができます。

早朝から出かけるハイカーも多く、登山口に一番近い駐車場は朝早くから満車になってしまうことが多いです。

伊予富士登山の難易度とコース

コースタイム(往復)体力レベル技術レベル
4時間30分★★☆☆★★☆☆
Yamariiグレーディング
出典:ヤマプラ

今回ご紹介するコースは旧寒風山トンネル入り口から伊予富士を目指すルートです。

分岐点はほとんどなく随所に案内標識もありますが、一部急こう配になっていたり、笹に覆われている場所があります。

ザックや登山用の靴など、一般的な日帰り登山並みの装備は必要です。

また冬になると登山道が雪が覆われるので、アイゼンなど冬山用の装備が必要となります。

途中のアクセス道も凍結しますので、タイヤチェーンなども必須です。

登山道の分岐点「桑瀬峠」を目指す

ではさっそく登山開始です。

まずは50分程で到着する桑瀬峠を目指して、右側にある登山口に入ります。

登山して早々、急こう配の崖のような道が続きますので、ゆっくり慎重に進みましょう。

その後緩やかなジグザグの道になります。

山々の景色がとても綺麗ですが、冬になると木々の枝が真っ白になる「霧氷」が見られます。

氷点下の山において霧や水蒸気が着氷する現象ですが、どこの山でも見られる訳ではなく、気温や風、場所などさまざまな条件があるようです。

桑瀬峠へ行く途中、寒風山方向に目を向けてみると、真っ白になった霧氷地帯が開けてきます。

広大な笹原が広がっていますが、山肌の一部だけが白くなっているのです。

近くで見るとこのような感じで、枝の一方方向にだけ着氷しているのが分かります。

冬場に吹き付ける寒くて強い風が、冬にだけ見られる幻想的な自然現象を発生させています。

そして登山口から50分程で、標高1451mの桑瀬峠に到着です。

(桑瀬峠)

休憩ポイントには最適な広場で、寒風山のベストビュースポットとなっています。

笹原の縦走路を堪能

この桑瀬峠から伊予富士までは約90分ほどです。

桑瀬峠からしばらく進むと、広大な笹原が広がっています。

これだけでも気分が爽快になりますが、冬になると遠くに白く薄化粧した山々がどこまでも広がっています。

この笹原の中を進む縦走路が伊予富士登山最大の魅力です。

日本百名山といえども、登山途中で空が大きく広がっている気持ち良い道ばかりではありません。

登山道が整備されていて、ダイナミックな景色と笹尾根の縦走路を堪能できる伊予富士は初心者の方も感動すること間違いなしのおススメの山なのです。

この時点で標高が1500mを超えていますので、天気が悪い時には雲が出てしまう事も多いのですが、この時は雲一つない快晴!

晴れわたる大空の下で体を動かす楽しさを実感できますよ。

山頂直下の急こう配を登れば360度の絶景

どこまでも続いているような笹原を進んでいくと、目の前にいよいよ伊予富士が見えてきます。
富士とは思えない山容ですが、頂上からの展望は抜群なのです。

山頂手前から登山道が岩だらけの急こう配になり、特に冬場はガチガチに凍ってしまうので、アイゼンは必須です。

足を滑らせないように慎重に進んでいきましょう。

後ろを振り返ると石鎚連峰の山々や、UFOラインが一望できます。

そして標高1756m、伊予富士頂上に到着です。

頂上からは西日本最高峰の「石鎚山」をはじめとするいくつもの山が広がっています。

山頂は少し広くなっているので、思う存分絶景を堪能しましょう。

ちなみにこちらの伊予富士から更に30分程先に進むと、標高1735mの東黒森山にいくことができます。

尾根の南側を通るルートで、こちらも壮大な景色と山頂から360度広がっている展望が魅力です。

まとめ


笹原を縦走できるのが魅力の伊予富士ですが、山の尾根沿いを歩く高所ルートの為、冬場は強い風が吹きつけてきます。

防寒対策やアイゼンなどの滑り止めが必要です。

またUFOラインが開通する4月以降は、雪こそ積もらないものの特に晴れている日は紫外線対策が必要です。

登山口から桑瀬峠までは木が生い茂っていますが、桑瀬峠から伊予富士頂上までは笹原の道が続きます。

強烈な日差しを浴びながら登山すると暑くなって服が軽装になってしまいがちですが、日焼け止めも入念に行いましょう。

今回ご紹介した伊予富士、ぜひみなさんも天気が良い日に行って見てください。

どこまでも青い空が広がる、大自然の雄大な景色があなたを待っています。